表札を出したくない人の表札「 佐々木 」さん

表札を出したくない人の表札「 佐々木 」さん

[ 表札を出したくない人の表札 「 SASAKI 」 【 佐々木 】 本物の真鍮で作ったサインプレート ]

「失われた本」


佐々木さんは、町の片隅にある古い骨董店で働いていました。彼はいつも黙々と店を片付け、不思議な雰囲気を持つこの場所に親しんでいました。しかしある日、彼は棚の奥深くで、奇妙な一冊の古い本を見つけました。

本は見た目がとても古く、表紙には読めない文字がびっしりと書かれていました。不思議なことに、佐々木さんがその本に触れた瞬間、店の窓の外にある街灯が突然ちらつき始めました。まるで本が何かを引き寄せたかのように。

彼はその本を開くことに躊躇しましたが、好奇心には勝てませんでした。ページをめくると、そこには彼自身の名前が書かれた古い日記のような文章が現れました。見たこともない出来事が細かく記されており、その内容は彼がこれから体験する未来の出来事であるかのようでした。

「この本は一体…?」佐々木さんは考え込みました。

その夜、彼は本を持ち帰り、自宅でさらに読み進めました。すると、彼の身の回りで奇妙なことが次々と起こり始めました。影が自分の意思を持って動き出し、家中の時計が一斉に12時を示しました。不安が胸を締めつけましたが、最後のページに書かれていた一文が彼をさらに困惑させました。

「佐々木さん、あなたはこの本を閉じてはいけない。」

次の日、佐々木さんは店に戻り、その本を元の場所に戻すことを決意しました。しかし、棚に戻す瞬間、本が静かに消えてしまったのです。

それ以来、彼はその本のことを二度と見ることはありませんでした。しかし、時折、あの夜のように街灯がちらつく度に、あの不思議な本がまだどこかに存在していることを感じるのです。